結論:2025年11月のFX不労所得は「71,668円のプラス」だが、その裏側は「含み損496,491円・実効レバレッジ21.0倍・高金利通貨への極端な集中」で、構造的にはかなり危険な状態です。
この記事では、
「不労所得口座」として運用している松井証券FX口座の2025年11月の実績とリスクを、すべて数字ベースで公開します。
- これからFXスワップで不労所得を作りたい人
- 高金利通貨に全ツッパしがちな人
- 自動売買と裁量のバランスに悩んでいる人
にとって、**「やってはいけない構造」と「次に取るべき対策」**がそのまま参考になる内容です。
1. 2025年11月の結果サマリー
まずは11月の確定損益を整理します。
1-1. 月次成績
- 確定損益合計:455,316.9円
- 決済損益(売買益):391,608.8円
- スワップ損益:63,708.1円
数字だけ見ると、
- 月45万円の利益
- うちスワップ6.4万円
なので、一見するとかなり良い成績に見えます。
1-2. 自動売買と裁量トレードの内訳
アプリの「自動売買」タブの数字:
- 自動売買の確定損益:7,959.6円
- 決済損益:7,779.1円
- スワップ損益:180.5円
ここから裁量トレード分は差し引きで算出できます。
- 裁量トレードの確定損益:
455,316.9 − 7,959.6 = 447,357.3円
構成比はこうなります。
- 裁量トレード:447,357.3円(全体の98.3%)
- 自動売買:7,959.6円(全体の1.7%)
1-3. 「不労寄りの収入」の金額
「ほぼ不労」と言える収入は次の2つです。
- スワップ収入:63,708.1円
- 自動売買利益:7,959.6円
合計:
71,667.7円(全体利益の15.7%)
金額だけ見れば「不労所得月5万円」は達成しています。
ただし、このあと見るように、達成方法がかなり危険になっています。
2. 口座の現在地:高金利通貨に集中した21倍レバレッジ
次に、11月末時点の口座状況とポジション構造を整理します。
2-1. 口座全体の状態
- 預託証拠金残高:1,796,365円
- 純資産額:1,306,848円
- 評価損益:−496,491円
- ポジション必要証拠金:1,099,181円
- ロスカット判定用維持率:102.2%
- 必要証拠金率:4%
- レバレッジコース:25倍
この数字から建玉想定額と実効レバレッジを計算すると:
- 建玉想定額 ≒ 1,099,181 ÷ 0.04 = 27,479,525円
- 実効レバレッジ ≒ 27,479,525 ÷ 1,306,848 = 21.0倍
純資産の21.0倍のポジションを持ち、維持率102.2%でロスカット一歩手前という状態です。
さらに、
- 含み損:496,491円
- 月スワップ:63,708.1円
なので、
496,491 ÷ 63,708.1 = 7.79か月
「スワップ約7.8か月分の評価損」を抱えた状態で、月6.4万円のスワップを受け取っている
という構造になっています。
2-2. 必要証拠金ベースの通貨別割合
ポジション一覧の「合計数量 × 平均建単価」から、必要証拠金の通貨別構成比を出すと、次のようになります。
- メキシコペソ/円:539,347円(49.07%)
- ランド/円(買い+売り):376,484円(34.25%)
- ハンガリー/円:146,032円(13.29%)
- トルコリラ/円:25,627円(2.33%)
- その他すべての通貨ペア合計:11,691円(1.06%)
合計:1,099,181円(100%)
整理すると、
- メキシコペソ/円+ランド/円:915,831円(83.32%)
- メキシコペソ/円+ランド/円+ハンガリー/円+トルコリラ/円:1,087,490円(98.94%)
つまり、
必要証拠金の約99%が「メキシコペソ・ランド・ハンガリー・トルコ」4通貨の高金利通貨/円に集中
そのうち約83%はメキシコペソ/円とランド/円だけ
になっています。
3. 11月の不労所得の「質」を数値で評価する
ここからは、金額ではなく「質」で見る分析です。
3-1. 不労所得の内訳
不労寄りの収入:
- スワップ:63,708.1円
- 自動売買:7,959.6円
合計:71,667.7円
しかし、構造を分解するとこうなります。
- スワップ収入の源泉は高金利通貨/円の巨大ポジション
- 必要証拠金の83.32%がメキシコペソ/円とランド/円に集中
- そのポジションからスワップ6.4万円を得ている
- 自動売買の規模は小さい
- 自動売買利益:7,959.6円(全体の1.7%)
- 自動売買は動きとしては安定しているが、ロットが小さいため、
まだ「実験段階」の規模
- 裁量トレードに強く依存
- 裁量トレード利益:447,357.3円(全体の98.3%)
- 月45万円の利益のほぼすべては「自分の判断とエントリー」で生まれている
結論として、「数字上は不労所得7万円だが、構造はほぼ裁量トレード+高レバのスワップ狙い」であり、本来イメージしている「ほったらかしの不労所得」とはかなり違う状態です。
4. 11月時点で見えた問題点
11月の振り返りとして、構造的な問題点を3つに絞ります。
4-1. レバレッジが高すぎる
- 実効レバレッジ:21.0倍
- 維持率:102.2%
この水準だと、
- 数円レベルの急変動
- 週明けのギャップ
- 突発的なニュース
によって一気にロスカット圏内に入るリスクがあります。
「不労所得」をうたうなら、10倍以下に抑える方が現実的です。
4-2. 高金利通貨への集中リスク
- 必要証拠金の83.32%がメキシコペソ/円とランド/円
- 含み損の大部分もこの2通貨に紐づいている
高金利通貨はスワップが魅力的な反面、
- 政治リスク
- 金融政策の変化
- 急激な通貨安
などで一方向に大きく動くリスクがあります。
現在の構造は、
「数か月分のスワップを一度の急落で吹き飛ばす可能性がある形」
になっています。
4-3. 不労所得と裁量トレードが混在している
- 不労所得口座のはずが、利益の98.3%は裁量トレード
- 資金管理もポジション設計も、「不労所得設計」と「裁量トレード」がごちゃ混ぜ
この状態だと、
- 何がうまくいっているのか
- どの部分を増やすべきなのか
が非常にわかりにくくなります。
5. 12月以降にやること:具体的な改善方針
ここからは、11月の数字を踏まえた具体的なアクションプランです。
5-1. 目標レバレッジと維持率の設定
まず、「状態のゴール」を数値で決めます。
- 実効レバレッジ目標:10.0倍以下
- 維持率目標:130%〜150%以上
- 許容する含み損:−200,000円まで
この3つをルールとして固定し、それを満たすようにポジションを縮小していきます。
5-2. 高金利通貨の役割と数量の見直し
- スワップ用の通貨を明確に決める
- メインスワップ通貨:メキシコペソ/円
- サブとしてランド/円を持つかどうかは、あらためて数量ベースで決める
- ランド/円の両建て解消
- 現在、ランド/円は買いと売りの両方を保有
- 今後どちらの方向でスワップを狙うかを決め、
片側ポジションを順次減らして証拠金を空ける
- 証拠金1%未満の雑多ポジションの整理
- 必要証拠金全体の1.06%しか占めていない少額ポジション群は、
- 戦略上意味があるものだけ残す
- それ以外は整理して通貨ペアをシンプルにする
- 必要証拠金全体の1.06%しか占めていない少額ポジション群は、
5-3. 不労所得比率を増やすための設計
- 自動売買のロットを段階的に増やす
- 現状:利益7,959.6円(全体の1.7%)
- 目標:まずは全体利益の20%を自動売買で稼ぐ状態
- 維持率を見ながら、裁量ポジションを減らしつつ自動売買ロットを増やす
- スワップ目標と必要ポジション量の計算
- スワップ目標:月30,000円を安定して得る
- メキシコペソ/円の「1万通貨あたり月スワップ」を実績から計算し、
必要な万通貨数を逆算する - その数量を「スワップ専用ポジション」として固定し、
それ以上のポジションはトレード用または削減対象と位置づける。
- 裁量トレードのルール化
- 1日の新規エントリー回数の上限を決める
- エントリー条件(時間帯・通貨ペア・形・損切り位置)を書き出し、
条件を満たさないトレードは禁止にする
6. まとめ:11月は「数字は良いが、構造は危険」という月だった
最後に、11月のFX不労所得口座を一文でまとめるとこうなります。
「455,316円の利益と71,668円の不労所得を取ったが、
含み損496,491円・レバレッジ21.0倍・高金利通貨集中という、
長期運用には向かない構造になっている口座」
- 金額だけを見ると成功
- 中身を見るとリセットと再設計が必要な状態
このギャップを認識できたこと自体が、11月の一番の収穫です。
今後は、
- レバレッジと維持率の数値目標を守る
- メキシコペソ/円とランド/円の役割をはっきり分ける
- 自動売買とスワップの比率を少しずつ上げていく
という方針で、「本当にほったらかしで回せる不労所得口座」に近づけていきます。
このレポートが、同じようにFXで不労所得を目指している人の参考になれば十分です。


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